令和6年能登半島地震。
それは、地震直後の混乱ではなく、
私たちが「避難」という当たり前の行動をとった
1時間後に静かに始まりました。
能登半島地震(輪島市)で報告された火災は、全体でわずか17件。
しかし、そのうちの1件の火災が、約240棟(約49,000㎡)を飲み込む大火災に発展しました。出火原因として最も疑われているのが、揺れによる配線の損傷や、停電復旧時に発生する「通電火災」です。
出火から発見まで時間がかかっただけでなく、消防隊が到着しても「物理的に消火できない」絶望的な条件が重なりました。
「東京の木造密集地(木密)は危ない」と誰もが知っています。しかし、驚くべき事実があります。
約240棟が焼失した輪島市朝市通り周辺の建物密度は、実は国の定める「地震時等に著しく危険な密集市街地」の基準を下回っていました。
つまり、超高密度のスラムのような場所でなくても、日本の一般的な「そこそこの住宅街」であれば、条件次第で街区全体が消滅する大火災が起こり得るということを、能登の火災は証明してしまったのです。
延焼は、隣の家からジワジワと燃え移るだけではありません。火災による強烈な上昇気流に乗った「火の粉」が数十メートル離れた空き地や屋根に降り注ぎ、道路による延焼遮断線をいとも簡単に飛び越えて火災を拡大させました。
消防活動を阻む「断水」や「道路閉塞」は、東京でも確実に起こります。
その上で、この残酷な数字の対比を見てください。
東京消防庁の消火主力
ポンプ車
※令和3年4月1日現在
都心南部直下地震
焼失する家屋
同時多発する火災の前に、物理的に消火活動は不可能です。
東京都の被害想定が跳ね上がる条件です。夕方は暖房や調理での火気使用率が高く、冬の乾燥した空気は着火を容易にします。さらに風速8m/sの強風は「飛び火」を激増させ、消防による延焼阻止線を無力化します。もしこの条件で直下型地震が起きれば、被害は算定をさらに上回る可能性があります。
消防が来ない状況下で、火災はどうなるのか?
ここで知っておくべきなのが「延焼クラスター」という概念です。
木造住宅が密集し、道が狭いエリアでは、ある建物から出た火は隣へ隣へと燃え移ります。この「一度出火したら、幅の広い道路などで遮断されるまで、燃え広がる運命を共にする範囲」を延焼クラスターと呼びます。
1軒の火災が、クラスター全体を飲み込む
あなたの住む街の「延焼クラスター」の大きさで、運命は決まります。
木造住宅密集地域が広がるエリア
想定焼失棟数
19,293棟
出火想定は約50件。しかし、道が狭く不燃領域率が低いため延焼クラスターが巨大です。ひとたび火が出れば数千棟単位のブロックが次々と消滅します。(大田区も同水準の危険度)
耐火建築物が多く、再開発が進むエリア
想定焼失棟数
286棟
出火想定は約14件。建物が燃えにくく、広い道路が延焼を遮断するため、延焼クラスターが細かく分断されています。火災が街全体に広がるのを物理的に防ぎます。
被害の差は 約67倍
家が焼け落ちた後、あなたを待っている「避難所生活」の現実。
水洗トイレは使用不能。汲み取り式もバキュームカーの不足で溢れ返ります。清掃が行き届かない環境下で、ノロウイルスや新型コロナ等の感染症が蔓延するリスクが激増します。
段ボールベッド等の物資不足。高齢者や既往症を持つ人は、慣れない過酷な環境での生活により病状が悪化し、直接の揺れや火災を生き延びても命を落とす危険があります。
家が燃えてしまえば、プライバシーが守られ、感染症リスクの低い「在宅避難」という選択肢が消滅します。長期にわたる過酷な集団生活を余儀なくされます。
だからこそ、「自分たちで火を出さない」ことで家を守り抜く必要があります。
消防が来ないなら、自分たちで出火を防ぐしかありません。
避難前のブレーカー遮断や、揺れを感知して自動で電気を止める「感震ブレーカー」の設置。
これだけで、東京の被害はここまで劇的に変わります。
11万棟 → 1万棟台へ
※火災による死者数も約9割(2,482人 → 293人)減少します
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